
こういった疑問に答えます。
「売却すると資産が無くなるからもったいない、貸した方が得でしょ?」
と、転勤が決まった銀行員のAさんはマイホームのマンションを賃貸に出すことにしました。
しかし、半年たっても入居者が見つからず。
その間、転勤先で購入した家の住宅ローンに加えて、入居者が見つからないマンションの住宅ローン・管理費・修繕積立費などの支払いが2重で負担となり、返済が滞る寸前・・・。
今回は、マンションを売却するメリットとデメリット、賃貸にするメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
メリットとデメリットを理解することが、失敗を避けることにもつながります。
賃貸に出せるマンションの方程式も紹介しますので、さっそく見ていきましょう。
- マンションは売却と賃貸どっちが得か?
- 売却 or 賃貸 フローチャート
マンションは売却と賃貸どっちがお得?

まずは一覧でまとめます。
✔マンションを売却するメリットとデメリット
✔メリット
- 毎月の負担(住宅ローン、維持費用、税負担)が軽くなる
- 資産を現金化するので、まとまったお金が入る
- 将来の価格下落を回避できる
✔デメリット
- 買った時よりも安くなる可能性がある
- 次の住まいを確保するタイミング
- 諸費用がかかる
✔マンションを賃貸にするメリットとデメリット
✔メリット
- 家賃収入が得られる
- また住むことができる
- 毎月の固定費を経費として計上できる
✔デメリット
- 空室リスク
- 住宅ローンより金利が上がる
- 配偶者控除が対象外になる可能性
それでは詳しく見ていきましょう。
マンションを売却するメリット
✔メリット
- 毎月の負担(住宅ローン、維持費用、税負担)が軽くなる
- 資産を現金化するので、まとまったお金が入る
- 将来の価格下落を回避できる
家を売ると住宅ローン、管理費用と修繕積立金、固定資産税の負担から解放されます。
また数千万円のまとまったお金が入ってきますので、その費用を「住み替えのための費用」、「借入金の返済」、「生活資金」に充てることが可能。
不動産は年数の経過とともに価格が下落していく傾向
「地方など需要の少ない地域」や「駅から15分以上離れた場所」だと、将来はもっと資産価値が下がる可能性があります。
そのため、将来価格が下落する可能性が高ければ、今売った方が高く売ることができます。
マンションを売却するデメリット
✔デメリット
- 買った時よりも安くなる可能性がある
- 次の住まいを確保するタイミング
- 諸費用がかかる
新築マンションは、購入してから1年で価格が10%下落するので、買った時より売却価格が安くなる可能性があります。
そのため購入した時と比べて、先ずは今のマンションがいくらで売却できるか査定が必要。
次の住まいを決めるタイミングも重要
- 家を売る前に次の住まいを決める → 買い先行
- 家を売ってから次の住まいを決める → 売り先行
買い先行の場合、売却がなかなか決まらないと、現在の住宅ローンと新居の住宅ローン(もしくは賃料)が2重にかかります。
さらに「精神的な焦りが出る → 売却を急ぐ → 売却価格を大きく値引してしまう」とメンタル的な負担が大きめ。
売り先行なら、家の売却にじっくり臨むことができます。
家を売るときの諸費用はいくら?
- 印紙税
- 仲介手数料
- 抵当権抹消登記費用
- 住宅ローン一括返済手数料
かかる諸費用は上記の通り。諸費用だけでも¥100万~¥400万前後かかります。
マンションを賃貸にするメリット
✔メリット
- 家賃収入が得られる
- また住むことができる
- 毎月の固定費を経費として計上できる
賃料 > 住宅ローン+管理費+修繕積立費+固定資産税
これが貸せるマンションの方程式。
事前に想定賃料を査定して、住宅ローンなどが相殺できれば賃貸も選択肢になります。
また、定期借家契約にすれば決まった期間の賃貸にすることが可能。
その期間が満了すると必ず借主に退去してもれるので、戻る予定があれば定期借家契約にすると良いかと。
毎月の固定費を経費として計上できる
管理費用、修繕積立金、固定資産税などは必要経費として計上できます。
家賃収入から必要経費を差し引いた額が不動産所得として課税対象となるので、節税効果も期待できます。
マンションを賃貸にするデメリット
✔デメリット
- 空室リスク
- 住宅ローンより金利が上がる
- 配偶者控除が対象外になる可能性
借り手が見つからなければ、「住宅ローン+管理費+修繕積立費+固定資産税」などの費用が全て持ち出しになります。
住宅ローンより金利が上がる
住宅ローンは住居用として特別に低金利で優遇されています。
賃貸用になると通常はこの優遇金利は適用されません。賃貸住宅用のローンへの切替えが必要になるので、金利も上がります。
転勤などやむを得ない事情の場合は、そのまま住宅ローンを認めてくれることもあるので、必ず金融機関に相談をしましょう。
配偶者控除が対象外になる可能性

マイホームを賃貸にして家賃収入を得ると不動産所得となります。
会社の給与所得と、この不動産所得の合計が1,000万円を越えた場合、2020年度から配偶者控除が適用されなくなりました。

メリットとデメリットは分かったけど、結局どうすればいいの??
そんな方のために、フローチャートを用意しました。
マンションを売却するか賃貸にするか

売却するか賃貸にするかは、住宅ローンを完済できるかどうかが大きなポイント。フローチャートのどれに当てはまりますか?
まとめると、次の通り。
✔売却も賃貸も選択肢になる
- 住宅ローンなし
- 住宅ローンあるけど、売ったら完済できる
✔売却が選択肢
- 住宅ローンあるけど売っても完済できない。十分な預貯金がある
この場合は、預貯金で住宅ローンを完済する方が良いかと。
✔賃貸が選択肢
- 住宅ローンあるけど売っても完済できない。あまり貯金がない。都市部にある
この場合は、家賃収入で住宅ローンを返済していければ負担は軽くなります。
賃貸に出しても良いマンション
- 賃料などを計算して採算が取れそう
- 駅徒歩10分以内でターミナル駅へのアクセスが良い
賃料 > 住宅ローン+管理費+修繕積立費+固定資産税
まず賃貸に出す大前提は、賃料が毎月の固定費を上回るかどうか。一括査定サイトなどを利用して想定賃料の確認が必要です。
さらに、駅から徒歩10分以内でターミナル駅へのアクセスが良ければ、借り手は見つかりやすいので賃貸に出しても良いかと。
シミュレーション
- 想定賃料:15万円
- 住宅ローン:10万円
- 管理費:1万2千円
- 修繕積立費:8千円
- 固定資産税:12万円(月額1万円)
例えば、上記の条件でシミュレーションすると「15万円 > 13万円」となるので毎月2万円の黒字。
ちなみに3,000万円で住宅を購入してた場合
表面利回り(年間家賃収入÷購入額×100=〇%)は 180÷3,000×100=6%になります
売却がおすすめのマンション
- 借り手が見つかりづらい
- 築年数が経過して賃貸に出すにもリフォーム費用がかかる
賃貸に出しても空室期間が長くなると、それだけ金銭的な負担が大きくなります。
そのため借り手が見つかりづらい立地や条件であれば、売却した方が負担は小さくできるかと。
マンションは売却と賃貸どっちがお得?:まとめ

マンションを売却するか、賃貸にするか、それぞれメリットとデメリットがあります。
不動産によって条件が変わってきますので、基本的な知識を身に付けたら不動産会社に査定を依頼して相談するのが良いかと。
査定以外にも、周辺の状況や市場の動向などを踏まえて、アドバイスや情報提供をしてくれます。その情報をもとに総合的に判断していきましょう。
なお、おすすめの一括査定サイトは家を高く売るなら一括査定がおすすめ【その理由とおすすめ3サイト】にまとめていまして、売却と賃貸を同時に査定できるサイトも紹介してます。完全無料で利用できるので、売却や賃貸を検討してる方は今すぐどうぞ。1分あればできます。
というわけで今回は以上となります。ともに学んでいきましょうっ!
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マンションは売却するのと賃貸にするの、どっちが得なの?