
こういった疑問に答えます。
✔本記事のテーマ
不動産売却の流れを完全解説【初めてでも家を高く売るコツ】
✔不動産売却の流れ
- 売却の検討:家を売りやすい時期は?
- 売却価格の決定:後悔しない価格の決め方
- 売却活動の開始:信頼できる不動産会社の選び方
- 売買契約と決済:売却後のトラブルを回避するポイント
- 確定申告:どうやって節税するか
本記事では「これから不動産(マイホーム)を売却したいけど、どこから手を付けていいか分からないよ」という方に向けて書いています。
この記事を読むことで、「不動産売却の流れ、注意しておきたい事、高く売るコツ」までをイメージできるようになると思います。
不動産売却は数千万円のお金が動くので、何も知らないまま売却することは不動産業者にとってはまさに「カモがネギを背負った来た」状態。
あなたが簡単に騙されて損をしないように、最低限の知識を身に付けて売却に臨めるお手伝いができれば幸いです。
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
①売却の検討:家を売りやすい時期は?

1年のうちで家を売りやすい時期は1月~3月。
なぜなら、この時期は就職、転勤、子どもの学校などで4月に引っ越す人が多いから。
短期間で買手が見つかりやすい時期なので、事情が許すなら1月~3月に照準を合わせて売却活動するのが良いかと。
下の表は中古マンションの件数ですが、中古戸建も同様に1月~3月が多いです。
引用元:公益財団法人東日本不動産流通機構, 季報 Market Watch サマリーレポート 2020年1~3月期, 首都圏地域別の中古マンション成約件数
買い先行か売り先行か
- 家を売る前に次の住まいを買う → 買い先行
- 家を売った後に次の住まいを買う → 売り先行
家を売った後に次の住まいを買う(または借りる)、売り先行が一般的。
多くの人はまだ家の住宅ローンが残っていると思います。
つまり、「家を売る → そのお金で住宅ローンの残りを一括返済する → 新しい家を買う」という流れ。

買い先行はダメなの??
今住んでる家の売却が決まらないまま次の住まいを買うと、「現在の住宅ローン」と「新居の住宅ローン」が2重にかかり負担が大きくなります。
さらに売却が決まらないと「精神的な焦りが出る → 売却を急ぐ → 売却価格を大きく値引させられる」とメンタル的な負担も大きめ。
なので、売り先行でじっくり今の家の売却に臨むのが良いかと。

でも先に家を売ったらどこに住めばいいの??
売買契約から引き渡し日まで1~3か月あるので、その間に次の住まいを決めるのが理想です。
②売却価格の決定:後悔しない価格の決め方

相場を知らないと適切な売却価格が決められません。
例えば不要になった家電をメルカリで売ろうと思ったら、同じ家電がいくらで売れてるかを調べますよね。相場より高かったら売れないし、相場より低かったら損をすることに。
不動産も同じで、ネットでおおまかな相場を調べることが可能。
まずは自分で相場を調べる

HOME’S PRICE MAPなら特定のマンションを検索するだけで参考価格が分かります。
特定のマンション名で相場価格が確認できるので便利。
とはいえ表示される価格は「3,000万円~3,500万円」など幅があるため、実際の売却価格を決めるには不動産会社に査定してもらう必要があります。
簡易査定を依頼
高く売るには、何社かと競争させることがポイント。
なぜかというと、1社だけではその価格が妥当か判断できないから。

不動産屋さんを天秤にかけるのは悪い気がする・・・
価格を比較するのは悪いことではありません。みなさんも家電を買う時に価格.comで価格の比較をしたことがあると思います。
家を売った後に「もっと高く売れたんじゃないか・・・」と後悔しないためにも比較は必須。
競争させるだけで5百万円も高く売れることもあります。

でも何社も訪問するのは大変そう・・・
不動産一括査定サイトを使えば、簡単に一度で5社以上に査定依頼が可能。
1分で依頼ができて完全無料なので手間も費用もかかりません。
「比較なんてめんどくさい!」なんて方は直接不動産会社に依頼しても大丈夫です。
なお、おすすめの一括査定サイトは家を高く売るなら一括査定がおすすめ【その理由とおすすめ3サイト】にまとめていまして、全て無料で利用できるので、試しに使ってみる価値はあると思います。
訪問査定を依頼
自分で調べた相場と、複数社の見積りを比較したら2~3社に不動産会社を絞って、実際に訪問査定(詳細査定)を依頼。
不動産の価格は近隣の状況や不動産の状態によって変わるので、訪問査定でより精度の高い査定ができます。
この訪問査定の価格を目安に売り出し価格を決めていきます。値引き交渉も考慮して少し高めの金額を設定するのが良いかと。
最低金額の決め方については後ほど解説します。
③売却活動を開始:信頼できる不動産会社の選び方

不動産会社は会社と営業担当者で総合的に判断。
会社の規模はあまり関係ないかと。大手は安心感がありますが、両手取引が多いという現実も。かといって、ホームページに力を入れてないような会社に任せるのは不安があります。
なので、まずは会社のホームページを確認して、信頼できそうな会社かをチェックしてみましょう。
営業担当者の見極め方
- 宅地建物取引主任者
- 話が分かりやすいか
- 希望や要望を聞き出してくれるか
専門的な知識(宅地建物取引主任者の資格)があり、説明が分かりやすく、こちらの希望を聞きつつ親身になってアドバイスをしてくれるか。
私も本業ではメーカーの営業をしてますが、商品ではなく解決策を売ることが大事だと思ってます。
つまり、あなたの要望を聞き出して、あなたにメリットやベネフィットを提供してくれる営業担当者が良いかと。
会社や自分の利益を重視してる営業担当者は、会話にもその感じが出てきます。違和感や不快感を覚えたらその会社は選択肢から外しても良いと思います。
一般媒介で契約
契約の種類
- 専属専任媒介契約
- 専任媒介契約
- 一般媒介契約
囲い込みで損をしないために、一般媒介契約が良いかと。
専属専任媒介契約、専任媒介契約では1社にしか売却をお願いできないため、物件を囲い込まれる可能性があります。
一般媒介契約であれば複数の不動産会社と契約を結べるので、2社くらいと一般媒介契約を結んで販売活動を開始しましょう。
なお、ここまでの解説を見て、「両手取引、、囲い込み、、、何それ?」と思うかもですが大丈夫です。あなたの家を高く売る方法【先ずはこの3つを押さえよう】にて解説してますのでこちらの記事をどうぞ。
購入を検討するお客さんが現れたら内覧を申し込んできますので、そのための準備も必要です。
内覧対応
大事なのは、お客さんが「住んだ時のワクワクするイメージ」を想像できるか。
あなたが家電など何か物を買う理由は、買った後に何が楽になるか、何が良くなるかを想像して物を買いますよね。
内覧するお客さんも同じ。「住んだ後に何が良くなるか、快適になるか、便利になるか。」そんなイメージを湧かせるようにすることが大切かと。
そのために掃除や簡単な補修はしておきたいところ。
- 部屋の掃除(クローゼットや水回り、ベランダも)
- 壁紙や網戸の破れなど簡単にできる補修
- 窓や照明も拭いて部屋を明るくする
④売買契約と決済:売却後のトラブルを回避するポイント

・ローンの事前審査
・最低金額ライン
・引き渡し日
・手付金
売買条件の交渉ポイントは上記の通り。詳しく見ていきましょう。
ローンの事前審査
売買条件の交渉前に、買主が住宅ローンの事前審査が通ってるか確認しましょう。
なぜなら、買主が住宅ローンの審査に落ちてしまうと売買契約が白紙になる事が多いから(ローン特約)。
事前審査を通過した人であれば、9割は本審査にも通過します。
事前審査を受けてない相手との交渉はリスクがあるので、事前に必ず確認しておきたいポイント。
最低金額ライン
最低でもこの金額で売りたいラインを決めます。
なぜなら、希望価格でも値引きを求められることがあるから。
価格設定の目安
- 査定価格の100%を最低金額ラインに設定
- 査定価格の103%前後を落としどころに設定
- 査定価格の108%前後を売り出し価格で設定
最低ラインを決めておけば大きく損をすることはありません。
なお、価格交渉に使えるテクニックは家を売るときの価格交渉【今すぐ使える3つのテクニック】の記事をどうぞ。
引き渡し日
あなたの事情次第で、引き渡し日も売却の決断に影響します。
たとえば新居の完成予定日が6か月後なのに、3か月後に引き渡しを要求されても難しいですよね。
しかし地方など買主が中々見つかりづらい場合、確実性を優先して要求に応じる必要性もでてきます。
事前に引き渡し日の希望も固めておきましょう。
手付金
売買契約を交わす際に買主から売主に手付金を支払います。
買主は手付金を放棄することで契約解除ができるので、気楽に解除できないように売買価格の5~10%に設定するのが良いかと。
手付金が5%を下回っていたら、手付金の値上げ交渉もしてみましょう。
条件がまとまったら、いよいよ売買契約の締結です。
売買契約締結
買主の気が変わらないように5日~7日以内に売買契約を締結するのが良いかと。
不動産会社が売買契約書を作るので、事前にコピーを送ってもらいじっくり目を通しましょう。
確認ポイント
- 物件情報は登記簿どおりか
- 売買価格
- 支払日
- 引き渡し日
- 瑕疵担保責任の期間
- 設備の修理義務の期間
など
曖昧な条項、自分に不利な条項があれば修正をお願いし、漏れてる条項があれば追加で契約書に盛り込んでもらいます。
特に2020年4月1日に民法が改正されて、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」という名称に変わりました。
これにより売る側の負担は重くなります。詳しくは不動産売却の瑕疵担保責任【家を売るときのトラブルの防ぎ方】で解説してます。
決済の準備
- 抵当権抹消の準備
- 引っ越しの準備
- 決済日の設定
売買契約から決済までは約1~3か月。
それまでにやることを見ていきましょう。
抵当権抹消の準備
マイホームの抵当権は住宅ローンを完済すると抹消できます。
住宅ローンが残ってる場合は、決済日にマイホームの売却代金をもらって、それで残りのローンを一括返済。足りない場合は不足分を預貯金で準備する必要あり。
なので決済日が決まったら、金融機関に連絡をして抵当権抹消の準備を進めます。
なお、抵当権抹消手続きも司法書士に依頼をすると手数料がかかります。
その他、家を売る時に発生する手数料については家を売るときの手数料はいくら?【仲介手数料は安くなるのか】で解説しています。
引っ越しの準備
決済日=引き渡し日。
なので決済日の前日までには、家が空になるように準備を進めていきます。
決済日の設定
新居確保の日程や引っ越しの予定を考慮して、買主と決済日を相談しましょう。
決済日に物件を引き渡して、売却代金を受け取ります。
繰り返しになりますが、売買契約の1~3か月後に決済日を設定するのが一般的。
なお、「家を売るときって何の書類が必要なの?」と聞かれることがありますが、全部で16種類あります。
どのタイミングで何の書類が必要かは家を売る時に必要な書類は16コ【いつ必要?&入手方法】の記事をどうぞ。
家の売却が完了したら、次は確定申告です。
⑤確定申告:どうやって節税するか

購入した価格よりも高い価格で売却して利益(譲渡所得)が出ると税金がかかります。その時に確定申告が必要。

確定申告ってどうやってやるの??
国税庁ホームページに確定申告書等作成コーナーがあるので、それを利用して書類を作成することができます。
書類の提出は税務署へ郵送でも持参してもOK。e-Taxであればデータで送信ができます。
確定申告の期間は家を売却した翌年2月16日から3月15日。
なお、確定申告に必要な書類や納税方法は【税金が戻ってくる人の条件】家を売る時の確定申告を3分で解説にまとめてます。
逆に売却益がでなければ確定申告は必須では無いですが、節税できる特例があります。
どうやって節税するか
譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例を使えばOK。

・・・??
簡単に言うと、購入した価格よりも、安い価格でしか家を売れなかった時に節税することが可能。
例えば5,000万円の家を購入して、3,000万円でしか売却できなかった場合
この2,000万円の赤字(譲渡損失)を、会社の給与所得から差し引くことができます(損益通算)
もし給与所得が600万円の場合、損益通算すると所得が0円扱いになるので、会社から天引きされている税金が全額戻ってきます。
さらに、差し引きしきれなかった分の赤字(上記の場合は残りの1,400万円)は、翌年以降3年間繰り越すことが可能。
利用するには確定申告が必要なので忘れないようにしましょう。
なお、具体的な条件などは家を売る時にかかる税金と節税する方法【税金が戻ってくる裏技も紹介】の記事をどうぞ。
不動産売却の流れ【初めてでも家を高く売りたい方へ】:まとめ

- 売却の検討:家を売りやすい時期は?
- 売却価格の決定:後悔しない価格の決め方
- 売却活動の開始:信頼できる不動産会社の選び方
- 売買契約と決済:売却後のトラブルを回避するポイント
- 確定申告:どうやって節税するか
初めての不動産売却でも売却の流れ、注意すべきこと、高く売るポイントを押さえておくことで不動産売却の成功をグンッと引き寄せることが可能。
不動産業者は「見た目は弁護士、心は詐欺師」とよく言われます。
大きな金額が動く取引ですが、基本の知識があれば怖くはありません。あなたの家が高く売れることを願ってます。
というわけで今回は以上となります。参考になりましたら幸いです。
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家を売る時の流れを知りたい
できるだけ高く売って後悔したくない
注意しておきたい事、絶対知っておきたいことを教えて欲しいなぁ